コンビニで晩飯その他もろもろを買い込んで出るときに、小柄な女の子にぶつかって品物をぶちまけてしまった。
潤「謝ることないよ、オレも不注意だった」
少女は、とある雑誌を取ろうとして硬直していた。
本来なら未成年への販売は許されない類のものだ。
だが、今日レジに立ってた店員さんは妙に物分りがよく、黙認してくれたのだった。
慌てて回収する。
潤「
陰りを見せた少女が纏っていたストールには見覚えがあった。
潤「……あ」
潤「
潤「
潤「
いったん明るさが戻った少女の顔は再び陰りを見せる。
潤「ありゃ、もしかして、君は相沢のことが…?」
潤「図星……か」
言われてみれば、少女の顔はそんなに血色の良いものではなかった。
中庭に来てた時も、病気で学校休んでたのに無理してたんだろうな。
潤「
潤「
少女の表情は更に落ち込む。俺、なにか無神経なことを言ってしまったんだろうか?
潤「
などと無責任にたきつけてみる。
そう言って少女はクスクスと笑った。
潤「どうしたんだ?」
悪戯っぽい笑みを浮かべる。
潤「
潤「
俺の些細な冗談がきっかけで病弱な少女は闘病の気力を取り戻す……なんてのはマンガの見すぎか。
でも、何気ない行動が誰かの運命を大きく変えるってことはあるかも知れないな。
子悪魔的な笑みが印象的な子だった。
あ、どうせならあの子の名前、聞いておけばよかったな。
……。
…。
例年より早く初雪が降ったが、根雪にはならずにすぐに融けるだろう。
そして、美坂チームのうち相沢とはとある事情で駅前で別れ、残った面子で下校してたのだが……。
地元人にもかかわらず無様に雪に足を取られる。
作者 OLSON
俺のお袋はハーフで、その遺伝で俺は金髪だった。中学時代は生徒指導の教師とよくもめていたっけ。
男「……」
お互いに顔を見合わせる。
全体的に細く柔らかい体。同様に細い腕、そして、髪全体を引っ張られる感覚。
心なしかスースーする下半身、スカートである。どう見ても女子の制服だ。
その結果ある結論に達する。
水瀬も同じ結論に達したらしい。
潤「ああ、ってことは、お前、水瀬か?」
小声で話してたため、俺と水瀬の会話は聞かれてなかったようだが、さてどうしたものか?
そんな俺の心配をよそに、俺な水瀬はうっとりとした声をあげた。
そいつは人に慣れているのか、逃げることもなく俺な水瀬の接近を許した。
俺な水瀬に抱き上げられても猫は抵抗しなかった。
水瀬「ねこ〜ねこ〜」
文字通りの猫なで声で、猫を抱きしめてとろけている俺な水瀬を見て美坂は引いていた。
しかし、さっきからくしゃみが止まらない。水瀬は風邪引いてたんだろうか?
さすがに異様な雰囲気で恐れをなしたのか、猫は逃げ出していた。
潤「うー、じゃない。一体なに考えてるんだ」
頭痛がしてきた。
周りにどう見られるかといった問題より猫が優先かよ。
俺は親元を離れてひとり暮らしだったので、こっちは問題なかろう。
水瀬のお袋さんは、『北川潤』をあっさりと歓迎してくれた。
設定は、アパートの鍵をなくしたため泊めて欲しい、というものだった。
娘と同年代の男を、一つ屋根の下で一緒にさせることをあっさりと了承するとは、一体何考えてるんだこの人は。
水瀬よ、ちったぁ自分が別人になってるって自覚はないのか。
そして、お袋さんも少しは疑問に思わないのだろうか。
ごく自然な成り行きでお袋さんを手伝おうとした俺な水瀬を制止して、俺が台所に立つ。
インスタントやコンビニ弁当ばかりのわびしい食生活だったせいもあるが、そういう要素をさっぴいてもお袋さんの料理は絶品だった。
相沢は学校が終わって速攻で空港に向かい、海外に住む両親の元に飛んでいた。
なんでも、1月末に水瀬のお袋さんが交通事故に遭ったのがきっかけで、相沢の両親は息子が傍にいないのが不安になってしまったらしい。
そのため、卒業したらこっちの大学に通え、と、しつこく言っているという。
そして電話越しでは埒が明かず、受験を間近に控えたこの時期に、両親の元に直接乗り込んで談判する羽目になったのだ。
やっぱり自覚なしかこいつは。相沢も苦労してるんだろうな……。
水瀬も、さすがに恥ずかしいのか同意してくれた。
そして俺な水瀬は客間に、
部屋の中を廊下から覗く。
私服に着替える際に入っていたわけだが、改めて見てみると凄い。
…何なんだか、この目覚ましは。そんなに朝弱いのか。相沢も大変だな。
気配も足音もなかった。一体何者なんだこの人は。
つまり、同い年の男と女が一つ屋根の下でふたりきりになるわけで。
確かに強盗だのなんだのは大丈夫だろうが、お袋さんに別の心配はないのか?
まあ、信頼してくれるのは嬉しいけどさ。
俺の戸惑いをよそに、お袋さんは手早く身支度を整え出て行った。
もう寝ていた俺な水瀬をたたき起こし、お袋さんが仕事に出た旨を伝えたが、不安がることもなくすぐに寝た。
とんでもない事態に、水瀬なりに疲れて寝ていたせいで深く考えてないのか、素でなんとも思ってないのか……。
今は遠くの地にいる相沢に誓った。
リビングのライトを消し忘れていたようだ。
最近のものと思われるいくつかの写真。
それとは別に、10歳くらいの男の子と女の子…相沢と水瀬のようだ。
小さな頃から仲良く遊んでいたんだな。
雪だるまを作るふたり。
それだけでは飽き足らず家の中に小型の雪だるまを並べているふたり。
雪祭りの大雪像が並ぶ中、おそらく相沢の父親と思われる男の両腕に嬉々としてぶら下がるふたり。
ケーキを食べていて、頬にクリームをつけたままカメラ目線をとる水瀬と、その隙を突いて水瀬のケーキに乗ったイチゴを強奪する相沢。
にらみ合うふたり。
スカートがめくれ上がって、猫がプリントされたパンツが丸見えになるほどの勢いで相沢に掴みかかる水瀬。
ソファの上で肩を寄せ合って仲良く眠るふたり、そして毛布をかけてやる水瀬のお袋さん。
子供の頃からこうだったんだ。あのストールの子が入り込む余地なんてなかったのかな。
………。
……。
…。
トクッ
トクン
トクン
ドクン
明かりをつけ、パンパンと顔を叩いて自分に渇を入れる。
ドクン
ドクンッ
ドクンッ
ドクンッ
ドクン
バレてる?
ドクン
あまり考えたくなくて、気にしないよう頑張っていたのだが、実を言うと俺な水瀬は、さっきからずっと前かがみになっていた。
俺な水瀬は意を決してまっすぐに立ち、股間からと思われる刺激に妙な声を漏らす。
朝立ち……みたいなものか? まだ夜なのに。
水瀬「
乳房が重力に引かれ両脇に広がるのを感じた。
ブラは窮屈に感じ、パジャマに着替えるとき色々と試行錯誤の末に外していた。
確かに、こんなんじゃ動くたびに揺れるから気になって仕方ないだろうな。
触ってみる。
潤「んふっ……」
心地よい柔らかさと重み。硬くしこった突起から痺れに似た刺激が走る。
巨乳というわけではないが、ほどほどの大きさだ。掌にすっぽりと収まるこの大きさがちょうどいいかもしれない。
色々といじってるうちに、下腹部の切なさが強まってくる。
ズボンと共に少しパンツを下ろす。すると、股間に布地が張り付く感触がした。
そこはしっとりと湿っている。すまん水瀬、下着を汚してしまった。
見てはいけない、という気がするため視線は天井を向いたまま、手探りを続ける。
さっきから心臓の脈動が凄い。未知の行為にすっかり興奮してしまっている。
股間に指を伸ばす。
滑った感覚の中に乳首のように硬くしこった突起を感じ、全身に甘い痺れが走った。
潤「んくっ……!」
体を前屈させ、強烈な刺激を堪える。
チンコの先端に似た感覚。おそらくアレだろう。
保健の教科書に載っていたが、男性器と女性器は、胎児の段階ではある程度パーツが共通しているらしい。
卵巣と精巣等が共通するそうだ。
ヴァギナに相当する部分が玉袋、そして、さっき触った敏感な突起が亀頭に相当するらしい。
感覚が似ていて当然だ。
ただ、慣れていないせいか女の体のほうが刺激は強烈で苦しいのでそこは避け、指をその下へ伸ばす。
割れ目を指でなぞった。
くすぐったく、むず痒いような快感。
潤「ん! はぁ……ふっ」
荒い息を吐く。体の奥が切なくなってきた。
潤「入れて欲しいのか? オレ」
『入れる』という行為を意識すると、下腹部から発せられる疼きが強まった。
もう、止まらない。
人差し指を立てる。女の手だから本来の俺の指より細く繊細な感じ。まずはコレ一本だ。
勇気を出して指に力を入れる。
突き抜ける感触と共に強烈な刺激が走る。
潤「ぁん……っ」
声が勝手に漏れた、まるっきり女のあえぎ声だ。俺……本当に女なんだな。
恐怖や男としてのプライドを欲望が押し流し、指を更に奥へと伸ばす。
勝手に体の各部が収縮と弛緩を繰り返す。
後ずさりして逃げるように、勝手に足腰が動く。だが、逃げるべき刺激は他ならぬ自分で与えているのだった。
指の根元が過敏な肉芽に触れる。
潤「んくっ……! ふっ……はっ」
背筋が勝手に収縮して腰を虚空に突き上げると共に、またも声が勝手に漏れる。無意識のうちに快感をそうやって逃がしていた。
だが、逃げるわきから快感が芽生え、体中に蓄積してゆく。
眠りに落ちるような、逆に目覚めるような。体が浮かび上がるような、逆に落ちていくような感じがする。
俺という意識が拡散して消えてしまいそうだ。
そうして全く異質な何かに変わってしまいそうで怖い。
でも、欲しい。
更なる快楽を求め指が暴れる。だが、男としての恐怖がそれを押しとどめてしまい、絶頂と思われる一線がどうしても越えられない。
結果として、絶妙の加減でイク寸前の状態を維持し、自らをじらす状態となった。
潤「うぅ……くぅ、ふぅ……っ。だ、駄目だ……」
高まる快楽がそのまま苦痛となる。
でも、どうしても一線が越えられない。
目を開けると、そこには俺な水瀬が中腰で立っていた。
そして俺の姿は……。
左手で右の乳房をこね回し、右手は股間に伸ばし、その手の進入を拒むように、逆に逃がすまいと拘束するように太ももはぴたっと合わさっていた。
羞恥心が爆発した。
いくら了解を得ての行為とはいえ、見られながら継続する度胸など俺にはない。
だが……。
ぞくり
体をかき抱き、身をすくめる。
慌てて手を引き抜いたのがまずかった。そのときの刺激が止めとなり、蓄積した快感が膨れ上がる。
決壊したダムのごとく、下腹部からの刺激が全身に広がる。
行為はもう止めたが、快感の奔流は止められない。
勝手に背筋が収縮し、全身が痙攣した。
潤「うっ……! くぅ……っ」
両手でシーツをがしっと掴み、刺激を堪える。
水瀬「わっ、わっ」
潤「うぁ……はぁぁっ」
熱い息を吐き、全身が弛緩する。頭の中は真っ白になり何も考えられない。
水瀬「えっと、イッちゃった……みたいだね」
潤「そう……なのかな」
頭の中に満ちた白いもやをかき分けて、どうにか返事する。
快感の波は引いた。だが下腹部の疼きはそのままだった。それどころかますます強まった気がする。
俺な水瀬はのんきな口ぶりだった。
そう言って自らの股間を指差す。
……そんなに大きかったんですか?
おいおい、ずいぶんと順応性が高いな。
とはいえ、見せっこも浮気の一環に入りそうな気がしないでもないのだが。
俺同様に水瀬も、未知なる異性の性欲に翻弄され、自分を見失いつつあるようだ。比較的冷静でいる俺がしっかりしなくては。
潤「
カマトトぶってるわけではなさそうだ。そっちは未経験らしい。
ではどうしたものか?
……。
要するに、奥を刺激してイけばいいんだろうな。
そこら辺を見回していたが……。
怒気をはらんだ声。
自分で自分のを変と言うのもどうかと思うが、って言うか元気だな息子よ。
考えるのもおぞましい選択肢。
だが一旦脳裏に浮かべてしまうと、俺という男の精神をあざ笑うかのように水瀬の体は昂りを増す。
……そんなこと言われても。
体の火照りは収まらない。
……相沢、許せ。
水瀬をこんなスケベな体にしておいて、これからも一緒にいるためとはいえ、
この日の対策を何も講じないで置いてけぼりにし、単身で海外に行ったお前が悪いんだ。
水瀬「
潤「うわ! ちょっと」
乳房をふにふにと揉まれる。自分でするのとは違った心地よさを感じた。
潤「
水瀬「
乳房への攻撃が続く。すると、ほったらかしの下半身がどうにも切なくなってきて身をよじった。
水瀬「そろそろだね。脱がすよ?」
パジャマのズボンに手がかかる。
水瀬「
同意を求められても困る。
だが、悲しいことに体は素直に昂った。
水瀬「あれ? パンツ……」
潤「すまん、汚しちまった」
水瀬「
股間に張り付いた布がかすかな抵抗の後にはがれ、空気に晒されるひんやりとした感覚が伝わってきた。
潤「ううっ……」
水瀬「
潤「わっ! 変なとこつつくな!」
水瀬「うー、わたしの、変じゃないよー」
潤「いや、そういう意味じゃなくて」
手にしたものは小さな四角形の包み。
などと関心(している場合だろうか)していたら、
なにやらモゴモゴと口を動かしている俺な水瀬に、嫌な予感を抱きながらも突っ込む。
俺な水瀬は、口に物を含んだためくぐもった声で答える。
頭痛がしてきた。相沢、お前という奴は……。
これだけの事をしておいて、まだその単語を口にするのを恥かしがりやがりますかこのアマは。
そして、咥えるべきモノがどこについてるかを、ようやく思い出した。
気まずそうに笑った後、アレを摘み上げた水瀬は……。
俺に差し出した。
頭痛がしてきた。しかも間接キスだ。嫌すぎるぞ、こんな間接キス。
まさか、装着失敗したら生でしてたのか?
また…相沢は、他にどんなことを吹き込んでいるのだろう?
ぎこちない手つきで装着する水瀬は、騙されたことをそんなに怒ってはいないようだ。
むしろ、そうされるのを楽しんでるようにも見える。これが惚れた弱みというやつなんだろうか?
リビングにあった微笑ましい乱闘の写真を思い出す。
お下げの水瀬の顔は、怒ってこそいたものの楽しそうでもあった。意地悪されるのも、惚れた相手なら嬉しいんだろうな。
元気にいきり立った俺のナニを見て、思わず唾を飲み込んでしまう。
浮気で、同性の体で、トドメに自分自身。これで抵抗を感じないほうがどうかしている。
それで萎えてくれればいいのだが、あいにく体はお互いに昂ったままである。
潤「うう……恥ずかしい」
水瀬「
潤「そんなこと言われて……もっ!?」
異物感とともにむず痒いような心地よさが走る。
異物が小刻みに動く。この大きさと動きは…指か?
というか、ソレがわかるくらいに敏感なんだな、ここ。
水瀬「準備できてるね」
潤「じゅ、準備って……わっ!」
腰に手がかかり、さっきの場所に、今度は指ではない何か太く熱いものがあてがわれた。
恐怖に身をこわばらせる。
水瀬「
潤「そ、そ、そういう問題じゃない!」
やっぱり怖い。まして浮気で、俺は男なのに女で、自分自身に貫かれるなんて。
水瀬「
潤「う、うわ、入ってきた。入ってきた!」
熱い塊が俺の体内に侵入してくる。
水瀬の言うとおりで痛くはなく、体が満たされる感じがして、ただひたすらに気持ちいい。
水瀬「わ、暴れないで、大丈夫だから」
潤「そんなこと言われても〜!」
水瀬「
やっぱり水瀬も似たように感じるか。
潤「うぅ……しばらく、じっとしてて」
入っている刺激だけで、どうにかなってしまいそうなくらい気持ちいい。
まして激しく抜き差しされたら、俺がどうなるか想像もつかない。
水瀬「抜いて、とは言わないんだ?」
潤「……いじわる」
俺な水瀬の悪戯っぽい口調をした問いかけに、拗ねたように答える。
実際、あれだけの抵抗を感じたにもかかわらず、この快楽を捨てる気にはなれなかった。
なんか、本当に水瀬が男で俺が女みたいになってきた。
男と女では脳の構造も違うという。その影響を受けているのだろうか。
水瀬「
潤「わ! ちょっと待て!」
潤「うぁあ!」
奥に当たって重い衝撃が脳天に突き抜ける。
水瀬「ふぁ……凄いよ、男の子……凄い」
チンコの刺激に支配されたのか、水瀬はうわごとの様に呟き、激しく腰を打ち付けてきた。
俺は、荒波に翻弄されて板切れに掴まる漂流者のように、がっしとシーツを掴んで刺激の奔流に耐える。
水瀬「
潤「
水瀬「
潤「
水瀬「……あ」
勝手に漏れるなまめかしい声を抑え、刺激を堪えながら俺がどうにか紡ぎ出した言葉に水瀬は我に返り、腰の動きが止まる。
潤「
水瀬「そう……だね」
しゅんとする。
助かった……。
水瀬「
助からなかった……。
潤「
最後まで発言することも許されず、俺の体内に侵入した熱い塊が暴れだし、嬌声しか上げられなくなる。
自分には存在しないはずの器官が、激しい快楽を脳髄に打ち付けてきた。
快楽が頭を侵食してゆき、俺という精神が消滅しそうになる。
それが怖くて、女性の器官から意識をそらす。
潤「くっ……! ふぅ……」
水瀬「
潤「そ、そんなんじゃない!」
もっと良くなったら俺はどうなってしまうんだ?でも素直にこの快楽に身を任せるのも怖くて堪えてしまう。
そのうち水瀬の言葉が理解できなくなった。
俺という男の精神はこれ以上の快楽を拒否する。しかし女の体は貪欲に快楽を求めだす。
勝手に尻を突き出し、腰の角度に変化をつけ体内の敏感な部分に俺の肉棒をこすりつけて、快感を貪る。
そして小刻みな収縮で精を搾り取ろうとする。
水瀬「
頭が快楽に占領され、自分が何を言っているのかも分からなくなる。
潤「ふあぁ……いい、もっと……もっと……」
……。
…。
……。
「……北川君」
……?
「えい」
乳首にビリッと電流のような痺れが走り、飛び起きた。
ぐにぐにと硬い腕と胸板で体を包まれる。
俺はいつの間にか横倒しになっていて、背中から誰かに抱きしめられているらしい。
つまり俺は俺自身……つまり男に抱きしめられていることになる。
なのにとても安らいだ気持ちになり、いつまでもこうして欲しくなった。
さっきの行為を思い起こす。俺も凄いことしてたな……。
全男性の名誉にかけて言っておく。
まあ仕方ないか。成長と共に強まっていく性欲との折り合いのつけ方を、普通は時間をかけて培うものだ。
いきなり異性の旺盛なソレを突きつけられたら、ああなってしまうのかもしれない。
俺の尻に、節操なく元気になったものが当たっていた。
……。
…。
足踏みしたり屈伸してみる。
改めて、昨夜にふけった行為と自分の乱れようを思い出し、羞恥がこみ上げてきた。
それと共に尿意もこみ上げてきた。
秋子「
はめられた。様々な意味で、水瀬親子にはめられた。
夫婦生活は筒抜けか。一つ屋根の下だから仕方ないとはいえ、ちったあ考えろ。
親子でそういう体質? もしかして、水瀬の父親がいないのって……。
様々な可能性が考えられるが、深く踏み込むのは止そう。
凄い人だなぁ……。
……。
…。
そのとき、またも雪に足を取られ、バランスを崩す。
………。
……。
…。
優しげで、少し眠そうな夢を見るような目。
水瀬の指南のもと、丹念にブラッシングした甲斐あってさらっとした長い髪。
女「……」
潤「……」
お互いに顔を見合わせる。
懐かしく、しっくりとした感覚。全体的に硬く締まった体。そして、男子の制服。
その結果ある結論に達した。
潤「ああ、ってことは、お前、水瀬か?」
まさか、こんな安直な展開であっさりと元に戻るとは。
一体なんだったのだろう?
さてはて、どうしたものか。色々とやらねばならないこと、考えねばならないことがある。
そして今、最優先にすべきこと。それは……。
潤「ああ」