海上で戦闘を展開したエクシードブレイブス。 ラプターたちはどうやらコマンダーシステムを搭載した 連携重視の編成のようで、機動性で勝るOF相手のため 数が多いこともあり苦戦していた。 カノン・バンガード内では 「砲座は自分の視界内に集中してください!」 秋子の指示の元、360度に銃撃を展開していた。 ノア・シップも例外ではない。 二つの戦艦はそこそこ機動力がある。 ラプターに囲まれても動けなくなる心配はない。 轟音と共に、空に銃撃を撒き散らして縦横無尽に飛び回っている。 「くそっ、こいつら動きが細かい! 冥夜! お前は後方のほうを頼む!」 武はサブマシンガンでラプターをけん制しつつ叫んだ。 ラプターの骨組みのようなボディに銃弾が無数に打ち込まれる。 だがマシンガンは元々遠距離攻撃には向いていない。 ラプターは素早く方向を切り返すとマシンガンの弾雨から 逃れていった。 「了解!」 冥夜の建御雷は艦の後方へと向かっていった。 「戦術機は長期的な空中戦は無理だからなあ…」 いかに腕を上げても機体の性能的なものはどうしようもない。 空の上で戦う友人達を見上げ、その場に並べないことを武は 歯がゆく思っていた。 エクシードブレイブス 第13話 暴風雨 「お互いに連携を取って…! やりづらいったらありゃしないわ!」 雪見はレバーを交互に倒し相手の攻撃を回避しつつぼやいた。 彼女のヒュッケバインは機動力と装甲のバランスの取れた機体で 空戦可能なPTだ。 とはいえ、単純な機動力だけならラプターのほうが上だ。 おまけに無人機とはいえ連携能力を駆使している。 ロシュセイバーでサーベルをやりすごすも、行動後の隙をついて二機、三機と 立て続けに攻められると引かざるを得ない。 「これは二人以上のチームで組んだほうが…」 ドオン! 爆音と共にラプターがどこかから砲撃された。 一瞬ラプターたちの動きが止まる。 「今よ! これで終わり! ファングスラッシャー!!」 ヒュッケバインは左足に仕込まれたスラッシャーを右腕に取り出し エネルギーを装填しラプターに向かって投げつけた! 不可思議な軌道を生みながらそれは真っ二つにラプターを切り裂いた。 ドガアン!! 「ふう…」 雪見はふと上空を見た。 白い機体。 佐祐理、舞の乗るOFビッグバイパー。 どうやら先ほどの砲撃は彼女達がやったらしい。 戦闘空域を旋回するように大回りで飛び回り 次々と囲まれているメンバーのラプターたちを撃破している。 「さすがにあの二人は違うわね…」 自分の周りが片付いたので雪見はライフルに持ち替え 他のメンバーの援護射撃にまわった。 「佐祐理、5時の方向。祐一が囲まれている」 舞はモニターの全域に目を走らせながら佐祐理に状況を伝える。 飛行形態時は舞がサブパイロットとなり佐祐理のナビを務めている。 人型形態時はその逆となる。 「了解です。舞、エネルギーと弾数は?」 「まだ大丈夫。でもバーストは残しておいて」 「あははーっ、わかりましたー」 佐祐理はぐいっとスロットルを倒す。 ビッグバイパーはそれを受けてさらに速度を増す。 彼女達に操られたビッグバイパーは狩人だ。 相手の視界の外から砲撃し、彼女達の姿を確認した瞬間に撃墜される。 どんな乱戦においても敵陣を駆け抜けその白い機体に傷をつけながらも 複数の敵を相手取っても、その全てを落として来た純白の狩人。 戦場を駆ける白い翼は、決して止まることはなかった。 ようやくラプターたちを追い込んだその時 「水瀬艦長! 巨大なエネルギー反応が戦闘空域に接近中!」 オペレーターの一人が叫ぶように報告する。 「パターン解析! この反応は巨大OFです!」 「この映像は…テンペスト!?」 秋子は表面上は驚いたようには見せなかったが内心は驚いていた。 (コロニーアンティリア襲撃事件の際に投入された大型のOF… バフラム・リベンジャーは一体どこからこの機体の情報を…?) 「な、何だあれは!?」 祐一は空から降りてきた機体に驚いた。 巨大な頭を思わせるボディに配置された無数の触手のような腕。 一見たこの様な無粋な作りだが、腕の一本一本が武装であるのは容易にわかる。 あれだけの数の攻撃をかいくぐって本体を攻撃するのは少しやっかいだった。 「ふん、ガキばかりの部隊と聞いていたが結構やるようじゃねえか!」 外部通信で粗雑な男の声が響く。 「ったく研究所の襲撃がいつまで待っても始まらんから様子を見りゃ お前らがいたとはな…ちょうどいい。このテンペストの試運転と行くか! このボルケス様の攻撃に耐えられるかな?」 そう言うとテンペストの腕が動き始める。 その腕全てがどうやら巨大なエネルギー砲らしい。 全方位に対し強力なエネルギーレーザーを放った。 ドガン、ズドオオオオン! 水面が巻き上げられ水しぶきを上げる。 「きゃあっ!」 希望は慌てて機体を右へとずらすがわずかに間に合わない。 と、その時何かが希望の視界をさえぎった。 「希望!」 舞人のセイクリッドだった。 セイクリッドはシールドを使い何とかメタスをレーザーから守った。 「あ、ありがとう…さくっち」 「馬鹿! 少しは気をつけろ!」 言葉は乱雑だったが心配しているのが伝わって不謹慎ながら希望は嬉しかった。 「なんつー威力だ…。こりゃ次は盾は使えねえ」 舞人はほとんど形状をとどめていない盾を見つめてぼやいた。 「あの攻撃をかいくぐることが出来そうなのは…信哉と佐伯と…佐祐理さんたちか」 OFにはOFをと祐一は思った。 「よし! 秋子さん! OFのメンバーで攻撃だ。残りのメンバーは 腕の破壊にまわる。これでどうかな!?」 「了承。祐一さん、その作戦で行きましょう」 秋子の決断は思いのほか早かった。 「了解! 信哉頼んだぜ!」 「オッケー。真理奈、サポートは任せるぞ」 「うん、わかった!」 二機のOF、クラウ・ソラスとアルテミスは高速でテンペストの本体を目指す。 「遠距離攻撃はあの腕が邪魔ですね…舞〜出番ですよ」 「…はちみつくまさん」 ブーストを利かせてビッグバイパーは信哉達を追い抜くようにテンペストの本体に 向かっていく。 腕が3本動き、一本はビッグバイパーを直接、残りの二本はビーム砲で 挟み込むようにレーザーを放つ。 だがそのレーザーとレーザーの間を潜り抜け、叩き落そうとする腕を 加速することで避けて、ビッグバイパーは一気に本体へと詰め寄ろうとしている。 そしてビッグバイパーは素早く人型へと変形する。 その際コックピットの操作の主導権も佐祐理から舞へと移行する。 この時、相棒がどのように動かしていたかを正確に把握しなければ ビッグバイパーの安定は失われるだろう。 だが、この二人は並みではないその難しい連携をいともたやすくやってのける。 「…射程内に捕らえた…防御は無理。…斬る」 右手のロシュセイバーにエネルギーが収束するバーストスラッシャー。 ガゴオオオン!! 「ぐおおっ! こ、この威力は!?」 テンペストがぐらりと傾く。 そのまま立て続けに実弾と共に物理衝撃を与える近接飛び道具ガントレットを 連続で叩き込む。 ドン! ドン! ドン! 「く、調子に乗るな小娘が!」 ようやく体勢を立て直したテンペストの腕がビッグバイパーに伸びる。 「…佐祐理」 「はい〜お任せです」 ところが腕がビッグバイパーを掴む前に飛行形態へと変形し 素早く射程内から飛び出す。 その瞬間的な加速はまさに芸術的でもあった。 内側に視点を向けていたテンペストの本体はやや上方から近寄る 二つのOFの接近に気づかなかった。 「もらったあぁ!」 「信哉! いけぇぇ!!」 アルテミスが背中から数え切れない数の小型ウィスプを取り出す。 クラウ・ソラスのは攻撃補助だが、アルテミスのは ファンネルのように攻撃に使われる。 ウィスプ自体が炸裂式の実弾のようなものでその威力は結構なものである。 女性を思わせる細いラインの機体から爆撃の雨が降らされる。 「行って! ウィスプ!」 ギュオオオオ…ドドドドドドン!! テンペストの本体で次々と炸裂するウィスプ。 その爆煙にまぎれクラウ・ソラスもまたテンペストの正面に立つ。 「これでも喰らえ! ハルバード、セットアップ!!」 クラウ・ソラスの右手のブレードが腕に収納され、変わりに 筒のようなものが握られる。 そこからかなりの太さの円筒上のレーザー砲が放たれる。 ジジジジジジジ…! 固定型の巨大なエネルギーサーベル。それがハルバードである。 その質量的に素早く振り回すことは出来ないが、永続的に機体に 当て続けることで絶大な威力を誇る武器である。 「ぐあああああああ!!」 テンペストのあちこちで爆発が起きる。 ダメージが大分本体のあちこちに発生したらしい。 信哉は頃合を見計らってクラウ・ソラスを離脱させた。 「調子に乗るんじゃねえ!!」 ボルケスの雄たけびと共にテンペストの腕の先からレーザーが射出される。 いや、それは打ち出したのではない。 無数の腕がエネルギーにコーティングされ、さながら 腕全体が巨大なエネルギーサーベルと化した。 「ふはははは!! テンペストの売りはエネルギー砲だけではないわ!!」 意外に俊敏に腕は動き回り、射程内の機体を攻撃する。 「うわっ!」 「きゃあっ!!」 雪見のヒュッケバインと、テンペストに近かったクラウ・ソラスが大きくダメージを受ける。 特にヒュッケバインはボディ部分に大きな傷を残している。 かなりの高出力のサーベルであることを物語っている。 「これじゃあ、さっきみたいに飛び込むのはちょっと無理ですね…」 佐祐理は先ほどから腕の動きを見ていたが 全体が武器となると先ほどのような特攻は無理に近い。 「だったら腕を落とすわよ!」 雪見は叫び、ヒュッケバインからグラビティブラスターを取り出す。 両手で巨大な砲門を構え、狙いを定める。 まだ腕はヒュッケバインまで届かない。 「グラビティブラスター! 発射!!」 ズドオオオ!! 放たれたブラスターは一本の腕の根元に伸びていく。 だが、その狙われた腕の前に二本の腕がクロスする。 ブラスターはそのクロスの中心で止められエネルギーは霧散した。 「ビームコーディング!?」 「さあて…どうするんだ? ガキども?」 不敵に笑うボルケスの言葉に皆はテンペストを 質量以上に巨大に感じていた。 続く
祐一 「あれ? 今回はこっちの後書きモードか?」 局長 「ああ、ようやく慣れて来た」 雪見 「それにしても他のキャラは大分そろってきたのに」 浩平 「ONE勢は少ないな…三人だけだろう?」 局長 「ONE勢は別行動中だからね。おいおい出るから心配するな」 祐一 「それはそうと、俺の機体って何でアルトアイゼンなんだ?」 局長 「ああ、それはもう僕が好きだから。ただそれだけ」 祐一 「なめてるだろう…お前」 浩平 「しかも空戦可能って…オリジナル以上の性能じゃないか」 局長 「いやあ…ははは(汗」 SSのTOPに戻る