1月21日(木曜日) PARALLEL


 ずっと一人だった……
 あゆはそう言った。
 あゆは僕のことを覚えていない。
 秋子さんと電話を終えた後、そのことが頭から離れなかった。
 それは僕に迷惑をかけたくないというあゆの心がそうさせているのか?
 今のあゆは幸せそうだ。
 あゆは幸せな夢の中にいる。
 休みたいときにはいつ休んでもいいという夢のような学校の話を聞いたときそう思った。
 もちろん、そんな学校などあるはずもない。
 今のあゆの世界からは幸せに必要の無い要素が排除されているのは明らかだった。
 不幸な記憶といえば、母親を失ったことだけしか覚えていない。
 だがそれも幸せを認識するための対極概念だとすれば説明がつく。
 それに、あゆにとって心に残るような不幸な出来事はあれくらいしかない。
 あゆにとって僕は記憶に留まらない存在……
 あゆの幸せには必要の無い要素なのだろうか……




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