1月19日〜1月29日


 19日、思いがけないことにあゆちゃんが祐一さんと名雪に連れられてやってきた。
 そしてあゆちゃんのいる生活が始まった。
 あゆちゃんはまるで昔から水瀬家にいるように馴染んでいた。
 そう、まるで本当の家族のようだった。
 そして、色々なことがあった。
 料理を作ろうとして意気込んだあゆちゃんが台所を無茶苦茶にしたこともあった。
 あゆちゃんと二人で楽しく買い物もした。
 祐一さんと一緒にジャムを食べてもらった。
 わたしが病気になって看病してもらったこともあった。
 そういえば、そのときのあゆちゃんの動揺は今も忘れない。
 あゆちゃんにとってお母さんがどんなに大切な人だったか改めて知った。
 このあゆちゃんがいた数日間は、かつて祐一さんがこの家に遊びに来ていた時よりもはるかに楽しかった。
 名雪とあゆちゃんはまるで姉妹のようで、そこに兄にも弟にもなる祐一さんがいるという感じだろうか。
 それはわたしの望んだ理想の家族の一つの形でもあった。


 しかし、終わりはすぐそこにまで来ていた。
 物事には必ず終わりがある。
 それは当然のことだ。
 だが、今目の前にある終わりはそんな漠然としたものではなかった。
「あゆちゃんはいつまでもここにいられない」
 そのことがはっきりとわかっているだけに、楽しい日々の後に待つ別れが怖かった。


 そしてあゆちゃんがこの家を去ってから祐一さんの様子がおかしくなった。
 泥だらけになって帰ってきたり、明らかに元気がなかったり…
 あゆちゃんとの間に何かがあったのは明白だった。
 この話を聞いた月宮さんが複雑な心境をしていたのは言うまでもない。




 けれど……
 悔しいが、わたし達には見ていることしか出来ないのだ。




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