戦いはここに終わった。 一人また一人と集結し、地球の未曾有の危機を救った 少年たちの所属するエクシードブレイブス。 だが戦いの終わりはその存在意義をなくした事になる。 戦いから数日後、珠瀬長官改め珠瀬大統領の名の元に エクシードブレイブスの正式な解散が発表された。 再建された地球連邦は半数の議席を各コロニーの代表者から 選んだと言う歴史上かつてない構成になった。 具体的な地球、およびコロニーの復旧など問題を抱える 珠瀬は、R・Gの意志を汲み、地球側から見たコロニーの問題点、 コロニーから見た地球の問題点を解決する最善の策として このような方法をとった。 一部の地球主義派からはかなりの反対を受けたものの、 争う事に疲れていた地球とコロニーの住人の大多数の賛成を受け ここに宇宙連邦が誕生したのである。 上層部が落ちつき、それぞれの身の上の降り方も決まった エクシードブレイブスのメンバーはどうなったか? ここにこの戦い、「アザゼル戦役」の立役者たちの 行く末を記す。 エクシードブレイブス エピローグ ――Kanon 最後の戦いの後、秋子は残った家族を連れて 移民船団へと乗り込んだ。 彼女たちがこの戦いで失ったものはあまりにも大きい。 「この子たちにはあまりに辛すぎる現実でしたから。 地球へ帰ってこないつもりはありませんが、 少し時間を与えたいのです」 秋子はそう仲間たちに告げていた。 それは紛れもない母親の顔であったという。 仲間達に見送られる中、名雪たちはそれでも精一杯の笑顔を浮かべて 挨拶をしていた。 北川、美汐の両名はコロニーの復旧に力を注ぐと告げて 出身のコロニーへと帰って行った。 その船には美坂姉妹も乗り込んでいた。 かつて両親が働いていたコロニーの復旧を手伝うのだ、と 姉の手を取り、栞は嬉しそうに語った。 佐祐理は、R・G解体後行方不明になった叔父の捜索を続けると共に 地球の復興に全力を注ぐそうだ。 親友を失った悲しさを働く事で紛らわそうとしているのか、 そのあまりに自らを省みない働き振りを抑える意味も込めて 一弥もその手伝いをするそうだ。 石橋は今もなお軍に駐留している。 相変わらず若い後輩をびしびししごいているらしい。 マコトは、誰にも告げずにその姿を消した。 その後の歴史で彼女の名が表に出た事はない。 そんな仲間たちの旅立ちを、この戦いで命を散らした 少年と少女は、どこからか見守っていたのだろうか…。 ――AIR 戦いの後、霧島姉妹はまたいつもの生活に戻った。 「やはり人相手の方が性に合う」 そう言って誰も来ない診療所呟く聖。 元気にポテトと戯れる佳乃。 今日も霧島診療所は平和です。 美凪はあいも変わらず天文部。 最近は星空を見上げるのがますます楽しいとか。 その理由は、往人と観鈴にある。 天空皇・神奈はいまだその身を空に晒す事を望んでいた。 そしてまた新たな旅へと往人を誘ったのである。 観鈴は当然往人に着いていくといい、往人もこれを拒否する事はなかった。 そうして晴子に全ての事情を告げ、二人は人類未踏の宇宙へと 旅立って行った。 美凪が空を見上げるのは、彼らが今はあの星にいるのだろうかと 思いを馳せるため。 往人と観鈴の旅はまだ終わらない。 ――それは舞い散る桜のように 長い戦いの末、結局受験シーズンを戦いに費やした 舞人たちは揃って予備校通いを覚悟していた。 が、半年に及ぶギリギリの追い上げの末、 舞人、希望、つばさ、山彦の四人はしっかり 志望校に受かったのである。 ちなみに舞人と希望が入学式早々バカップル呼ばわり される様になったのは公然の事実である。 そんな二人の様子をつばさと山彦は呆れたように見守っていたらしい。 小町、牧島、青葉の三人もしっかり進級、進学し、 今は戦いとは無縁の日々を送っている。 こだま、ひかりの二人は溜まったレポートを片付けるのに 大忙しだとか。 桜の咲く頃に、皆がまた顔を合せるのはもちろんあの丘である。 ――マブラヴ 元々御剣の私兵団であるアンリミテッドのメンバーは それほど変わった事はない。 戦術機を量産タイプに戻して、通常業務に戻るほかは 特に変わったことはなかった。 千鶴と慧が喧嘩をするのはいつもの事だし、それを見て 壬姫がおたおたするのもまた一緒の事。 ただ、夕呼は戦いの後、研究に集中したいと言う事で 暇を貰っている。 前と違うのはただ一人、あの戦い以降すっかり姿を消した 鎧衣尊人という人物だけだった。 そして、武、冥夜、純夏の三人。 そもそも三人は三角関係の間のまま ずっと戦ってきた。 武は一通り落ち着いたある日、二人を呼び出した。 「それじゃ…言うぞ。俺が…俺が好きなのは…」 彼がいかようにして答えを出したかを書くのは無粋というものである。 ――ONE デュランダルはその曖昧な立場から、 エクシードブレイブス解散後、連邦軍所属デュランダル隊として 新たに編成しなおされた。 その際、瑞佳は、澪と繭を連れて艦を降りている。 「もう浩平には私がいなくても大丈夫だから」 そう言って笑顔で艦を降りて行った。 そんな幼馴染の後姿に少し寂しさを感じた浩平だったが、 いつまでも一緒ではいられない現実の厳しさを胸に、 今日も程ほどに仕事を頑張っている。 茜や詩子、主だったメンバーは艦に残ったが、 住井と留美は、珠瀬大統領の推薦もあって プリベンターという組織に身を置く事になる。 不要な火種を大きくなる前に消す情報部の組織。 有事の際にデュランダルに所属する以外は あまり今までと変わらない生活だが二人は それに従事する事になった。 みさきは、現在の盲目が光を感じるくらいまでは回復できる 兆しが見えているとのことで手術を受けるため艦を降りた。 「もしそうなったら、荷物運びくらいはゆきちゃんの 手伝いが出来るからね」 そう言って降りた親友の姿を雪見は苦笑い交じりに見送った。 なお、この後、雪見がデュランダルの新型艦の艦長として 事実上デュランダル隊を預かる事になるのだがそれはまだ 少し先の話になる。 ――そして 火星へと向かう輸送船の座席。 向かいに座っているのは少し窮屈そうな左腕を下げたマーク。 雑誌を眺めながら音楽を聴いているユユ。 そして、隣で眠る真理奈。 「もう、地球は見えないな」 「そうだな、何だ? 恋しくなったか」 「そんな意味じゃないさ」 マークの軽口を信哉は軽く受けがなす。 見ていてくれただろうか、彼は…自分たちの戦いを最後まで。 一瞬そう思っただけだった。 信哉はすぐに隣で眠る真理奈を見た。 あどけない顔で自分の肩に顔を寄せて眠っている。 それがたまらなく愛しかった。 守りきるさ、絶対に。 もう二度と離しはしない。 やがて、新たな人生を送る事になる星が見えてくる。 その時に、俺は何を想うだろう。 信哉はそんなことを考えながら、窓から流れていく 星を見つめていた。 FIN
後書き えー、昨年五月より書き始めたエクシードブレイブス。 ここに完結です。最後は何か打ち切りを命じられた 連載漫画のように終わってしまいましたが、 どうか石は投げないで下さい(笑) スパロボに感銘を受け、ギャルゲミックスと称しながら スパロボとギャルゲの比率を間違えてストーリーは二転三転。 おまけにちょっとしたトラブルにより著しく執筆意欲の低下と 色々ないわくのある作品でしたが、何とか完結を迎えられて 感無量です。 この作品で得た反省点をどうか次回作に生かせるよう 自分自身に祈りたい気分です。 ではこんな作品でも誰かを楽しませる事ができたらいいなと思いつつ ここで筆を終わらせていただきます。 スペシャルサンクス アイデア提供 エルラさん マークさん 琉餡さん のぼやさん 校正・意見提供 エルラさん そして全ての読者様にありがとうを 04年3月15日 world もしよろしければクリックしてください〜。 SSのTOPに戻る