朝影のアルティメットバトル日常編
名雪「くー」
……またか。
今日も名雪は手ごわかった。
昨日寝るのが遅かったのか起きる気配がまるでない。
まあ期末テスト当日なのだから仕方が無い。
ちなみに、すでにビンタ10発、鼻つまみならのべ500秒はやっている。
祐一「くそ」
なんだかいいかげん腹が立ってきた。
こうなれば意地だ。
俺は右足を上げて飛び上がる。
祐一「食らえ! ねりちゃぎぃ!(別名ギルスキック)」
さすがに鼻に当てたらまずいので、当てても問題なさそうな額を狙う。
いつも授業中船をこぎながら机にぶつけまくってる名雪の額だ。
武双山並みの強度はあるだろうから問題は無い。
ガン!
俺の踵は見事に名雪の額に突き刺さった。
祐一「があああぁぁぁ!」
俺は上を向き口をあけて吼える。
そしてフィニッシュを取るべく左足で相手の腹を蹴り上げてバック転!
何!?し、しまった。
気付いたときには遅かった。
名雪は寝ているのだ。
よって、蹴り上げる腹など存在しない。
俺の左足は空振りし、勢い余った俺は後頭部から地面に激突する。
ガン!
朦朧とする意識の中で俺は思った。
菌類小僧、ヒーローごっこするなら悪者の方が安全だぜ。
それ以前にギルスはヒール(悪役)のような気もするが……(って洒落かコレ?)
突然名雪が身を起こす。
あれを食らって起きないならさすがにまともじゃない。
名雪「…衝撃でした。身が震えるほどの」
祐一「そりゃあ、フィニッシュキックだからな」
名雪「そう、奇跡でした」
祐一「は?」
名雪はあさっての方向を見ている。
その姿は、さながら何かの悟りを得た使徒のようだった。
と、そんなことは問題じゃない。
祐一「おい、名雪」
名雪の目が線になる。
名雪「くー」
やはりというかなんというか、寝ていた。
しかも立ちながら片足だけで。
祐一「どうやったらこの体勢で寝られるんだ?」
普通両足でも膝が落ちるはずだ。
サラリーマンのおじさん方がうらやましがりそうな寝かただ。
とはいえ、こんなことをやってる暇は無い。
試験に遅刻してしまう。
祐一「名雪、悪く思うなよ」
俺は指を折りたたんで、猫の手のような拳を作った。
実戦では鼻に叩き込んでから使うのが定石だが、名雪の鼻を潰すわけにはいかない。
ゆえに俺は第一段階を飛ばして第二段階に移行した。
すなわち、掌底によるあごの突き上げである。
祐一「はっ」
俺は掛け声とともに拳を突き出した。
直撃!
まさにそう思った瞬間俺の手がそれる。
名雪が袖を掴んで受け流したのだ。
祐一「へ?」
俺は間抜けな声をあげた。そんな馬鹿な。
と思ったときには俺の体は宙を舞っていた。
一本背負いだった。
いや、正確には抵抗できないように、逆間接で腕を肩に乗せられた。
噂に聞く天狗投げだ。(すみません、友人から聞いたものであってるか知りません)
祐一「のわっち」
ボスッ!
あ、あれ、痛くないぞ。
俺の下にはけろぴーがいた。
祐一「お前が身を挺して守ってくれたのか」
俺はけろぴーに借りを作ってしまったようだ。
名雪はというと、相変わらず片足で立って眠っている。
祐一「く、くそ」
祐一「こいつを止める方法は?」
そうだ、さっきは手を出したからカウンターで投げられたのだ。
ならば……
祐一「攻めねえぜ」
俺はカウンターを狙うことにした。
祐一「決着をつけるぞ、名雪!」
俺は待った。
ただひたすら待った。
名雪が飛び込んできた瞬間に菩薩の拳をきめるつもりだった。
……………………………………………………
だが、名雪は動かない。
よく考えれば当たり前だ。
名雪は寝ているのだから。
とすると、俺は名雪にみすみす睡眠時間をくれてやったことになる。
祐一「う・か・つ」
まてよ、何で俺は弱点を突かなかったのだろう。
名雪は片足なのだ。
足への攻撃に弱いのは間違いない。
ならば……
俺は突然地面に手をついて水面蹴りを放つ。
祐一「いただき!」
これはきまる! そう思った。
しかし
キュ
グハッ!
名雪は突然両足をつけると、右足で地面を蹴り腰の回転をきかせて左アッパーを打った。
それは俺の顔面をヒットし、太田さんのダッシュ中よろしく俺は宙に舞った。
…………
祐一「けろぴー、またお前に助けられたな」
今の、本物の鷹村さんや太田さんだったら俺は死んでたな……
が、相手は名雪だったおかげで軽い脳震盪で済んだ。
しかし、どうしたものだろうか?
まあ本気を出せば名雪を葬るくらいわけも無いのだろうが、それは目的ではない。
あくまで名雪を起こすことが目的だ。
一撃で決着をつけなければならない。
そうしないと名雪を殺しかねない。
祐一「謎ジャムでも使うか?」
いや、だめだ。
あれじゃ、確実に名雪が死ぬ。
まだ俺の手で病院送りにでもするほうがましだ。
祐一「しかたないあれを使うか」
俺は名雪の部屋を見回し目的の物を見つけた
祐一「まあ、名雪なら死なないよな」
死んだところで、秋子さんがいるから大丈夫だろう。
それにクウガはこれで強くなったのだ。
祐一「名雪、パス」
俺は名雪にAランチ用のフォークを投げつけた。
(何故そんなものを部屋に置いてるのかは謎だ)
名雪「だお?」
名雪はそれをキャッチし、グーで握る。
俺はそれを見届けると渾身の力をこめて右ストレートを放った。
なんてことをするとクロスカウンターもとい、クロス凶器カウンターを食らうのは見えている。
俺の右ストレートは視線のフェイントだった。
が、剥き出しの殺気に名雪は反応した。
目をあけていれば、フェイントとわかっただろうに。
名雪はフォークを突き出した。
俺はスウェーでそれをかわしてフォークに向かって右手を突き出す。
俺の右手に握られていたもの……それは延長コードのコンセントだった。
バチバチバチ!
ドサッ
名雪が倒れる。さすがに100ボルトはきいただろう。
名雪「…衝撃でした。身が震えるほどの」
秋子さんの了承に匹敵する早さで名雪が復活する。
祐一「って、またか!」
と思ったら今度こそ目をこすって、片目を開けた。
名雪「あれ…祐一」
名雪「…おはようございます」
祐一「おはよう名雪、起きたか」
名雪「うにゅ…さっきから起きてるよ」
ほう、さっきまでのは故意だと?
本気で言ってるなら今この場で殺してやる。
あっちこっち痛む体をひきずりながら名雪の頬を引っ張る。
名雪「ひ、ひはひよ〜」
祐一「寝言は寝て言え」
名雪「あ……」
名雪が突然短い叫び声をあげる。
名雪「祐一出て行って」
祐一「なんだどうした?」
名雪「いいから出て行って」
名雪はなんだかもじもじしている。
さてはこいつ……
とりあえずこれ以上とどまると、名雪が怒りそうだったので退散する。
祐一「さっきの電気ショックでちびったな」
なんだか哀れだったので俺はさっさと朝食に向かうことにした。
ちなみに、この馬鹿騒ぎのおかげで俺たちは見事に1限目の試験に遅刻した。
普通ならここで名雪に怒りをぶつけるところだが、今日は怒っていない。
なぜなら
1限目の試験は家庭科だったからだ。
※1限目の勉強はしてません
(後書)(言い訳)
ブレハのジャンク品公開に合わせて付き合いで恥を晒します(汗)
ていうか、正真正銘忘れたい過去……。
ほんと酷いですね、これが書き始めたころの作品です。
ブレハと並べるとこっちの方が精神ダメージキツイ。
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