妹属性キャラに関する考察



2007.08.29 初稿


0. 注意書き

 ほぼ全て、筆者の主観によって書かれたものです。また、妹キャラに関する考察と銘打っていますが、実質、ただの自分語りです。て言うか、ネタです。本気で考察してる訳じゃないです。反論等はご自由にしてくださって結構ですが、その辺りは理解した上でお願い致します。

1. はじめに

 以前からこのサイトに来ている方ならば、ご存じでしょうが、筆者Lasetlには、リアルで妹がいます。大きいお兄さん方の中には、妹が欲しいとか思っている方もいるようです。しかし、リアル妹がいる立場からすると、「理想と現実大分違うから、夢から覚めなさーい」であり、正直言って、ちょっと引きます。まあ、本気で言ってるような方は少ないかと思いますが。

2. 実妹と妹属性キャラ

 さて、世間では「実妹がいると、妹属性キャラには萌えない」と言われていますが、割と当たっていると思います。実際、「お兄ちゃん」という二人称を聞いた時点で、「ああ、こいつはダメだ……」というような感想を、少なからず抱きます。妹属性というそれだけで、一枚フィルターがかかります。
 とは言え、全ての妹属性キャラが駄目かと言うと、そうではありません。妹属性に分類されるキャラでも、この娘は良いと思うことはあります。妹ならば無条件で萌えない、というわけではないのです。
 過去雑記等から、該当キャラの例を挙げてみます。

例1

 みずいろ(ねこねこソフト)の雪希。みずいろをプレイしたのは2002年12月ですが、ロクな事書いてないので、リンクは張りません。
 主人公の"義理の妹"という設定。当時、近親相姦は規制されていたという背景がありますので、このような設定で回避するという手法はよく見られるものでした。
 何故、雪希には萌えたかについて考察します。しかし、当時、どういうところに萌えたかは、全く覚えていませんので、語ることは出来ません。義理ということで、妹属性とみなされなかったと考えることもできますが、同様の設定を持つ他のキャラは全く引っかからなかったことを考えると、根拠としては薄いと思います。(と言うか、絶対違うと断言できます。好みなんて、そう簡単に変わるものじゃないですし、義理であろうと、妹は妹です。)

例2

 ファイアーエムブレム 聖魔の光石(任天堂)のエイリーク
 主人公エフラム(エイリーク自身も主人公の1人)の実妹。当時のことは覚えていませんが、エフラムとの支援会話Cはなかなかの破壊力だったと思います。
 こちらは、実妹。実妹か、義理の妹であるか、といったことは問題ではないと推察できます。

3. 萌えの基準

 ここまでで、妹属性でも萌えることがあるという例を示しました。では、何故そうなったかについて、仮説を述べたいと思います。なお、これを裏付ける根拠、材料を提示することはできないことを、始めにお断りしておきます。
 「実妹がいると、妹属性キャラには"萌えない"」のではなく、"萌えにくい"のだと、筆者は考えています。普通のキャラに萌える基準値が100とした場合、妹属性キャラは例えば150、好みの属性を持つキャラ(強気など)は70というように、そのキャラに萌えるために必要な"何か"(イベントの内容や、その他の属性などと考えます)が違っているのではないでしょうか。つまり、妹属性キャラでも、ある程度の萌えイベントが用意されてれば、普通に萌える。ただ、そこまでのハードルが(他と比べて)高いだけなのです。

 もう少し深く考えてみましょう。今回は、妹属性に焦点を当てていますが、他の属性でも同様に考えられると思います。一番分かりやすいのは、キャラの容姿でしょうか。例えば、筆者はポニーテールが好きです。そのため、ポニーテールのキャラの評価は、自然と高めになります。しかし、ポニーテールだからといって、必ずしも萌えるとは限りませんし、イベントを通して嫌いに傾くこともあります。
 ここで、ポニーテール+妹属性を考えてみます。前者はプラス評価、後者はマイナス評価となる要因です。筆者にとっては、ポニーテールのプラス要因よりも、妹属性のマイナス要因の方が強く働き、結果的にそのキャラには萌えづらくなります。ここから推測できるのは、様々な属性ごとに、萌えポイントのようなものがあり、それらを加算した結果が、前に述べた基準値に影響しているということです。萌えポイント(仮)は、プラス要因となる属性は正の値、マイナス要因となる属性は負の値、特に影響しない属性は0と考えます。もちろん、これは個人差が大きいですし、属性の組合せによって倍率補正が掛かる可能性もあるので、一概には言えません。例えば、筆者にとっては、ポニーテールとリボンの組合せは、強力なプラス要因となります。
 ここで述べた萌えポイントは、容姿や設定などの記号的要因ですが、最も大きい影響を与えるのは、話の中での働きであると思います。ゲーム(特に、いわゆる美少女ゲーム)ならば、そのキャラに関するイベントに当たります。昨今流行していた"ツンデレ"は、典型的なイベントによるプラス要因だと言えるでしょう。ツンデレは、シナリオ進行にともなう、初期と終盤の"ギャップ"が本質であり、記号的属性に当てはめられるものとは、少々趣が異なります。このギャップに落とされた人が、ツンデレを高く評価するということとなります。

 ここまでに、萌えポイント(仮)とイベントという、2つの要因について述べてきました。この両者の評価の合計値、あるいは組合せの結果、その人にとっての萌え基準値を突破すると、そのキャラに萌えるのだと、筆者は考えています。この評価値は、流動的なものであり、シナリオ進行中にも変動しています。始めは良いと思ったキャラでも、後半になるとそうでもなくなった、という経験をした方も多いのではないでしょうか? 次章では、この変動現象について述べたいと思います。

4. イベントによる評価の変動

 前章の主張をまとめると、キャラが持つ属性とイベントによる評価の合計により、そのキャラに萌えるかどうかが決まる。また、イベントによる評価は流動的である。というものでした。
 さて、元々は妹属性に焦点を当てた考察ですが、妹属性とはあまり関係が無くなってきているので、ここで妹属性に関わるイベントについて、例を示したいと思います。ここから挙げる例は、全て筆者にとってマイナス評価に繋がったものです。そのキャラが好きな人には、予めお詫び申し上げます。

例1

 月陽炎(すたじおみりす)の双葉。分かる方は、月陽炎感想を参照してください。
 月陽炎は、(既によく覚えてませんが、)ある一家を中心にストーリーが展開するゲームです。双葉はその一家の人間ではなく、登場人物の友人という立場で登場します。彼女のシナリオは、一家に関わるシナリオが全て消化された後に、おまけ的に存在します。何しろ、本編とは設定が異なっているのですから、おまけと言わずして、何と言うのか。
 説明が長くなりましたが、双葉には妹属性を思わせるようなイベントは、本編には一切存在しません(筆者の見落としの可能性もありますが、些末な問題です)。しかし、彼女のシナリオの、それも終盤になって、唐突に、あまりにも唐突に、主人公に対して「お兄ちゃんと呼んでもいいですか?」というような台詞を発します。妹属性はマイナス評価に繋がる筆者にとって、これは、「妹属性を狙ったあざといイベント」であり、双葉に対する評価は大暴落する結果となりました。また、大暴落の原因の1つとして、「そんなあざとい萌えを狙わないといけないほど、双葉というキャラに自信がないのか」という、スタッフに対する憤りの感情が含まれるということを追記しておきます。
 本編において、双葉の評価が高かった分、非常に残念なキャラであったと言わざるをえません。

例2

 ファイアーエムブレム 聖魔の光石(任天堂)のミルラ
 支援会話において、上の例とほぼ同じ台詞が出てきます。実に分かりやすい反応を示してますね、当時の自分。
 元々、ミルラに対しては特に好評価という訳でもなかったので、ただマイナスに下がるばかりという結果となりました。特に、このゲームの場合、上でも例に挙げた、エイリークという実妹キャラがいるだけに、そのような属性付けに疑問を抱いたというのもあると思います。妹キャラは、ロリ属性が無いと駄目だとでも言うのでしょうか?
 なお、このゲーム、シリーズを重ねるごとにキャラゲー化しているのを嫌う人もいるという話を聞きますが、本題とは話が逸れるので、本稿では扱いません。そもそもよく知りませんし。

 このように、たった1つのイベントで、キャラの評価が一変する可能性があります。もちろん、このように悪い方向にばかり変わるわけではなく、前章で述べた"ツンデレ"のように、プラス評価に繋がることもあります。また、筆者がマイナスと感じたこのようなイベントも、人によってはプラスに繋がるという事例も存在します。
 また、ここに挙げた例は極端なものですが、イベント1つ毎に、キャラ評価は変動するものだと思います。それを示す事例の1つだと考えていただければ、と思います。

5. おわりに

 今回、妹属性という切り口から、キャラ萌えについての考察を行いました。終わってみれば、キャラの属性+イベントという、ある意味で当たり前の結論となりました。萌えを数値的に扱うことについて、違和感を覚える方もおられるかもしれませんが、ネタと割り切っていただけると幸いです。
 最後に、筆者が考える最高の妹属性キャラとして、ユーベルブラット(ヤングガンガン連載)のゲランペン百人隊長を挙げようかと考えていましたが、いい加減、ネタの鮮度が落ちてると感じたので、やめることにします。興味のある方は、同2~4巻を読んでみると良いと思います。責任は持てませんが。
 では、よきオタクライフを。




補足事項1 妹属性の定義

 妹属性キャラの定義ですが、狭義の妹属性は、実妹や義理の妹という設定のキャラのことを、広義の妹属性は、「お兄ちゃん」および、これと同義の二人称を用いるキャラだと考えています。個人的には、後者のキャラの方が、強いマイナス要因を持ちます。理由は、次項で。

補足事項2 呼称の変化による評価の変動

 4章の2つの例について、本文中に書くと長くなるので、補足説明として書いておきます。
 あのような事例を嫌う一因として、"不自然さ"があります。狭義の妹属性キャラが「お兄ちゃん」という呼称を用いるのは、ごく自然なことだと思います。実際、リアルでそう呼ばれます。呼び捨てられることもありますが……と、これは余談ですけど。
 広義の妹属性キャラについては、設定次第です。幼なじみや親戚関係で、年齢に違いがあれば、そういう呼び方になることは、それほど不自然なことだとは思いません。また、(手を出すと犯罪になりそうな)子供が青年程度の年齢のキャラに対して、「お兄ちゃん」というのは、理解できる範疇です。ただ、これら広義の妹属性キャラについては、ややあざとさを感じることもあり、狭義の妹属性キャラに比べて、マイナス要因が強くなります。個人的にですが。
 て言うか、当初はこの不自然さを中心に話を展開する予定だったのに、いざ書いてみると、全然話が違ってて、絶望した!

補足事項3 ツンデレ論(暴言)

 「べ、別にあんたのために~~なんだからねっ!」は、ツンデレじゃねーよ、このダラズ。ツンデレの本質は、ギャップ。そして、それは過程によって描かれるもの。たった1つの台詞文で表せるものじゃねーんだよ。




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